投資初心者。はじめての投資はつみたてNISAがおすすめ
はじめての投資は「つみたてNISA」がおすすめです。
つみたてNISAとは
2018年1月からスタートした制度です。
従来からNISA(ニーサと読みます。2104年スタート)という非課税の投資制度がありましたが、その積み立て版として誕生しました。
ポイントは次のとおりです。
・運用益(譲渡益、分配金)が非課税
・投資の方法を「積み立て」に限定
・年間の投資金額は40万円まで
・非課税期間が20年間
・投資対象は、一定の基準を満たした投資信託とETFのみ
・資金はいつでも引き出せる
・同じ年の投資は、従来のNISAとつみたてNISAのどちらか片方しかできない。
つみたてNISAと従来のNISAの違いは次のとおりです。
つみたてNISA | 従来のNISA | |
対象年齢 | 20歳以上 | |
非課税対象 | 運用益 | |
投資方法 | 積み立てに限定 | 自由 |
年間の投資金額 | 40万円 | 120万円 |
非課税期間 | 20年 | 5年 |
投資対象 | 一定の投資信託・ETF(2018年4月現在145本・3本) | 株式・投資信託・ETF |
出金 | いつでも |
比較すると、運用益が非課税となるNISAの特徴は同じですが、
・年間の投資金額は、つみたてNISAは40万円なのに対して、従来のNISAは120万円と、つみたてNISAは少ない
・投資方法は、つみたてNISAは積み立てに限定されているのに対して、従来のNISAは自由。従来のNISAは積み立て投資を行ってもよいですし、スポットで投資をしてもかまいません。
・投資対象は、つみたてNISAが一定の投資信託・ETFに限定されているのに対して、従来のNISAは、好きな投資信託・ETFに投資でき、個別株に投資することもできる
・非課税期間はつみたてNISAが20年なのに対して、従来のNISAは5年と、つみたてNISAの方が長い
このように、つみたてNISAは非課税期間は長いですが、それ以外について、つみたてNISAは従来のNISAに対して制限が多いです。でも、投資初心者にはそれがいいんです。
投資の基本
投資の基本は、「長期」「分散」です。
投資というと、デイトレーダーのようなスタイルを思い浮かべる方もいると思いますが、専業のトレーダーでない我々のような普通の人には、デイトレーダーのようなことはできません。また株取引に専業したとしても、勝てるとは限りません。
投資に時間をかけられない普通の人にとって、投資の基本は「長期」「分散」で、時間を味方につけて資産を増やしていくことです。
長期投資
非課税期間が長いつみたてNISAは、従来のNISAより、長期での運用が可能です。
従来のNISA、つみたてNISA共通のデメリットとして、運用損が出たときに繰越しができない・他の運用益との相殺ができないということがあります。
しかし、つみたてNISAは運用期間が長く取れるため、運用の結果がマイナスになる可能性は少なくなります。
分散投資
分散投資とは、その名のとおり投資の対象を幅広く分散することです。
少し難しい話ですが、金融理論では分散投資をすることにより、期待リターンは平均化されるのに対して、リスク(標準偏差=ばらつき)をそれ以上に減らすことができることが知られています。
分散投資により、リターンを維持したまま、リスクを減らすことができるのです。
つみたてNISAで投資できるのは、一定の投資信託とETF(上場投資信託)です。
投資信託を使うことにより、簡単に分散投資ができます。
日本株の投資信託に投資すれば、日本株に幅広く分散投資できます。
同様に先進国株、新興国株の投資信託に投資すれば、それぞれ先進国株、新興国株に幅広く投資できます。
そしてこれらの投資信託を組み合わせれば、世界中の株に分散投資できます。
また、株式以外にも債券に投資する投資信託もあります。
株式と債券を組み合わせて投資することにより、リスクを減らすという分散投資の効果が大きくなります。
自分で投資信託を組み合わせて投資するのが面倒であれば、一本の投資信託で世界中の株式に投資するもの、一本の投資信託で世界中の株式と債券に投資するものもあり、これらに投資するのも手です。
低コストであること
投資において、もうひとつ大事なことがあります。
「低コスト」であることです。
投資信託に投資をすれば、分散投資は簡単にできるのですが、コストがかかります。
投資信託にかかるコストで大きいのは次の二つです。
・販売手数料
投資信託を購入するときの手数料です。
・信託報酬
運用期間中、運用の対価として支払う対価です。毎日信託財産から日割りで差し引かれます。
つみたてNISAで投資できる投資信託は、金融庁が一定の基準を満たす投資信託として認めたものに限定しています。
その基準として、大きいのがコストです。
つみたてNISA対象の投資信託は、すべて販売手数料は0円です。購入時に手数料はかかりません。
また信託報酬が高い投資信託を認めていません。
その結果、世の中には公募の投資信託は約5,000本あるのですが、そのうち、つみたてNISAの対象として認められている投資信託は145本しかありません。(2018年4月23日現在)
投資あるある話でよく聞くのは、退職金をもらって資産運用をはじめたいと思い証券会社や銀行に相談に行った結果薦められたのが、販売手数料3%、信託報酬2%の投資信託という話です。
これはコストが高い投資信託で、仮に退職金1,000万円を持って相談に行ったのならば、販売手数料で30万円(これは初回だけですが)、信託報酬で約20万円(こちらは毎年)の手数料をとられることになります。
金融機関の人にとっては、ノルマがあったりで、自分たちが儲かる手数料の高い商品を薦めるのは当然のことで、実は金融機関の人に資産運用を相談するのはNGです。特に知識がない投資初心者ほど、いいカモにされます。
つみたてNISA対象の投資信託は、販売手数料0円、信託報酬は0.27%(国内株インデックス投信の平均)、0.34%(海外株インデックス投信の平均)というレベルです。
仮に、つみたてNISAについて金融機関に相談に行ったとしても、手数料が高い投資信託を売りつけられる心配はありません。
もちろんコストが高くても、それに見合う運用成績を上げてくれる投資信託であれば、コストは問題ないのかもしれません。しかし、実際には顧客の運用財産から信託報酬をたくさんもらって、そのもらった分を補ってさらに高い運用成績を残し続ける投資信託はあまりありません。
将来よい運用成績を上げられるかはわかりませんが、コストは確実に取られます。それであれば初めからコストが低い投資信託を選ぶ方が合理的です。
つみたてNISA対象の投資信託は、数が少ないですが、一定の基準を満たしているものだけなので、投資初心者にとっては選択肢が少ない方が、わかりやすくてよいです。
積み立て投資
投資初心者のはじめての投資は、「積み立て」がお勧めです。
投資なので、運用財産は毎日増えたり減ったりします。自分のお金が増えたり減ったりするのは、最初はドキドキします。はじめての投資で大きなお金を投入すると、ドキドキが大きすぎると思うのです。
積み立て投資で少しづつ運用財産を積み上げていく、そうすると運用しているとお金はこういう動きをするんだな、投資というのはこういうことなんだな、というのが感覚として身についていきます。
積み立て投資では、毎月(毎週とか毎日も設定できますが)、一定金額を機械的に投資していくことになります。
相場が良い時も悪い時も、自分の判断に関係なく、投資が実行されます。これがよいのです。
特にリーマンショックのようなことが起こり相場が悪い時は、投資をするのが怖くなるかもしれません。そんな時も、つみたて投資では淡々と投資を継続できます。相場が悪い時ほど、投資を継続すべきなのは、歴史を振り返ればわかります。
投資方法が「積み立て」に限定されている、つみたてNISAはまさに初心者にマッチします。
まとめ
つみたてNISAを利用することにより、税制上のメリットを受けつつ、長期・分散投資を低コストで行うことができます。投資初心者が、投資をはじめるにはぴったりです。
運用で税制上のメリットでいえば、実は確定拠出年金の方が大きいのですが、確定拠出年金は老後までお金を引き出せないので、投資初心者にはまずは、つみたてNISAをお勧めします。
【今日の1曲】
Jumpin’ Jack Flash / The Rolling Stones
先日のライブ、我々のバンドは前座でやらしてもらったのですが、メインのバンドが最後にやったのがこの曲。ギターリフが作り出すグルーヴは素晴らしいと改めて感じました。