Chance The Rapper の音楽はすばらしいし、音楽ビジネス的にも革命児
ちょっと経ちますが、サマーソニック2018で Chance The Rapper のライブを体験してきました。
今までもすばらしい音楽に触れると、心が震えたり、全身鳥肌がたったりといった経験はありますが、これらとはまた違った新しい音楽経験をしました。
Chance The Rapper は音楽ビジネスとしても、既存のビジネスモデルとは違う新時代の旗手でもあります。
今回は、Chance The Rapper について紹介します。
Chance The Rapper とは
まだ25歳ですが、世界の多くのフェスでヘッドライナーを務めるほど人気です。
Chance The Rapper(以下Chance)の音楽ビジネスの特徴として、音源を売らない、ということがあります。
CDの販売はありませんし、ネットでも売っていません。
音源はすべてフリー(ただ)なのです。
Chance はどこのレーベルとも契約しておらず、インディペンデントな活動を続けています。
彼のそんな活動は「自由であり続けること」という信念に基づいています。
Chance の活動は、グラミー賞のルールも変えました。
それまでのグラミー賞の対象は「有料で売り出された作品」で、無料である Chance の作品は対象外でした。
しかし、Chance の活動によりルールが変更。Chance の作品がノミネートされ、見事3冠を勝ち取りました。
“No Problem”という曲にそんな彼の姿勢が表れています。音楽レーベルと契約しなくてもNo Problemという内容です。
実際ライブでこの曲をやったときは、バックの映像に明らかに大手レーベルのロゴをいじったものが流れ、最後にグラミー賞のトロフィーがでてきました。まさに Chance の勝利宣言のようでした。
社会活動にも取り組んでおり、アメリカ大統領選の時には、若者の投票率を上げるためにフリーのライブを開催し、そのまま投票所に誘導しました。
他にも、寄付活動、地元シカゴの犯罪問題へ取り組むなど、さまざまな活動を行っています。
そんな Chance のライブですが、
一言でいうと、Chance の人懐っこい、温かい、ポジティブな人柄にあふれたライブでした。
最後の曲”Blessings(Reprise)”で、
“Are you ready for blessings? , Are you ready for your miracle?”の大合唱。
ゴスペルサウンドに包まれて、心が Chance の温かさで包まれて高揚するという新しい音楽体験をしました。
この曲はライブでは聞けませんでしたが、オバマさんの家族をはじめ、観客はみんな幸せそうな顔をしていますね。
そんな幸せにあふれたライブでした。