ポイントやマイルは課税されるのか?

クレジットカードなどを使った際に獲得できるポイントやマイル、ポイントカードのポイントは課税されるのでしょうか?

考察してみます。

PayPay祭り

2018年12月8日現在、PayPay祭りが行われています。
PayPayで支払うと20%のポイント還元、一定の割合で支払額の全額(上限10万円)のポイントが還元されます。

PayPayはまだ利用店舗が限られているものの、ビックカメラ等でPayPayが使えることから、ビックカメラ等の家電量販店でで高額商品を買うという祭りが行われています。特に普段は値引きされないSurfaceやアップル商品はお得感がありますね。

この場合、一度の支払いで、かなりのポイントを獲得できます。

クレジットカード以外にも、このようにさまざまなポイントがあります。
これらのポイントは課税されるのでしょうか?

結論

結論から言うと、税法の中で明確な規定はありません。グレーです。

グレーではあるものの、税法の基本的な考え方からすると、金銭そのものではなくても経済的な利益を獲得した場合には、所得となる。つまり課税の対象になります。

国税庁のサイトに載っている論文でも考察されており、同様の結論です。
企業が提供するポイントプログラムの加入者(個人)に係る所得税の課税関係について(国税庁)

課税される時期は、ポイント獲得時点ではなく、実際に使う時点で課税される。ということです。
ポイントは獲得したまま使わないと失効するものがほとんどですし、使ってこそ経済的利益を受けるということですね。

課税される税金は、次のようになると考えられます。

(1)プライベートな支出で得たポイント 所得税(一時所得)
(2)個人事業主が事業に関連した支出で得たポイント 所得税(事業所得)
(3)法人カードの支払いで得たポイント 法人税

 

個人名義のカードの場合、ポイントを使う際に(1)と(2)で得たポイントが混ざっていたり、他にもさまざまなパターンが考えられるため複雑です。また、一時所得の場合は年間50万円までは課税されません(他の一時所得があれば合算して50万円まで)。
そのため、個人が日常生活で得たポイントについては、申告しなくても問題になっていないというところだと思います。

法人名義のクレジットカードで得たポイントを社長個人が使った場合

法人名義のクレジットカードで得たポイントを、社長個人が使った場合はどうなるのでしょうか。

社長が会社から経済的な利益を受けたことになり、社長に対する給与、つまり役員給与になると考えられます。
この場合、定期同額給与以外の給与となり損金にはならないので、法人で課税された上に、社長個人では給与所得として課税されることになり、ダブルパンチとなってしまいます。

現実としては、税務調査があったとしても、少額であれば追及されないかもしれません。しかし金額が大きいと指摘される可能性は十分あります。また指摘されたとき、ダブルパンチとなるので、税負担は大きいものになります。

また、ある程度の規模以上の会社になると、法人名義のカードのポイントを社長が個人的に使うことはコンプライアンス的にも問題があります。

法人名義のカードのポイントは、個人では使わず、会社で使うことをお勧めします。

まとめ

ポイントやマイルは、課税の対象になるものの、課税庁側でも課税の明確なルールがありません。そのため個人が普通の生活で獲得するようなポイントやマイルは、申告しなくても今のところ問題にはなっていません。

ただ、政府は今後キャッシュレス社会を目指しており、そうなるとポイントやマイルでの支払いの規模も大きくなると予想され、今後はどうなるかわかりません。
ポイントやマイルに課税するのであれば、課税庁側にわかりやすいルールを作成することを望みます。