付加年金。個人事業主・フリーランスにおすすめの年金制度です

年金

知らないと損している制度というのは、いろいろあるものですが、付加年金もその一つです。
お得な制度なので、国民年金を払っている人は、付加年金の加入もおすすめします。
公的年金制度が国民年金だけの個人事業主・フリーランスの方は、ぜひ!

付加年金とは

付加年金は国民年金に上乗せして支払うことにより、将来もらえる年金が増える制度です。

上乗せして支払う付加保険料は、月400円です。

これにより将来もらえる年金が、毎年「200円×掛けた月数」増えることになります。これは名目上、掛けた保険料は2年でモトがとれることになります。国民年金と同じく、生きている限りずっともらえます。

具体例で見てみましょう。

例)35歳から60歳まで25年間 付加年金に加入した場合

  • トータルで支払う付加保険料
    400円×12ヵ月×25年=120,000円
  • 1年間にもらえる付加年金
    200円×12ヵ月×25年=60,000円

65歳からもらう付加年金の金額を表にすると、次のようになります。

もらえる付加年金の合計額
65歳 60,000円
66歳 120,000円
67歳 180,000円
70歳 360,000円
80歳 960,000円
90歳 1,560,000円
95歳 1,860,000円

 

支払う付加保険料の総額が120,000円に対して、毎年60,000円の年金を上乗せしてもらえるので、もらい始めて2年でモトが取れます。これが死ぬまでもらえます。

仮に80歳で死んだとして単純に利回りを計算すると、
960,000円÷120,000円=800%

こんな高利回りな金融商品は他にありません。

また、付加年金は税金面でも優遇があります。国民年金と同じ扱いで、掛け金は社会保険料控除の対象となります。年金をもらった時は、雑所得の公的年金等となるので、公的年金等控除が使えます。

付加年金に加入できるのは

付加年金に加入できるのは、第1号被保険者です。

第1号被保険者とは、自営業者、農業・漁業者、学生などで、要は自分で国民年金を払っている人です。

厚生年金に入ってる方は付加年金に入ることはできません。すでに厚生年金という2階建ての年金に入ってますからね。また厚生年金に入ってる方に扶養されている方も、付加年金に入ることはできません。

自営業者やフリーランスで国民年金の方は、厚生年金に比べてもらえる年金が少ないので、付加年金のようなお得な制度を利用して、もらえる年金を増やしておくべきです。

付加年金のデメリット

付加年金はお得な制度ですが、デメリットもあります。

インフレに対応していない

年金制度のように、資金を投入してから受け取るまでの期間が長期にわたるものは、インフレのリスクを考える必要があります。資金が多少増えたとしても、それ以上に物価が上昇していれば、実質的には目減りしていることになるからです。

付加年金は将来受け取る年金が「200円×掛けた月数」と決まっています。どれだけインフレになっても、受け取れる年金は決まっています。つまりインフレに対応する仕組みを備えていません。(国民年金自体には、物価スライドといって、物価が上昇すればもらえる年金が増えるという仕組みがあります)

とはいえ、もともと運用利回りが他の金融商品にはないくらい高い付加年金です。多少のインフレは気にする必要はないでしょう。

そもそも少額

付加年金は、月額掛け金が400円と決まっています。

運用利回りは高いですが、仮に20歳から60歳までの40年間掛けたとしても、年金の上乗せは年額96,000円にしかなりません(200円×12ヵ月×40年)。月額にして8,000円の増額です。

年金を大きく増やすためには、付加年金だけは足りません。

それでも国民年金を40年間納めてもらえる年金の満額が年間779,300円(2018年4月現在)なので、掛け金を月400円プラスするだけで、年間96,000円増える(1割以上の増加)と考えると十分お得です。

iDeCoの投資枠が減る

付加年金は、iDeCo(個人型確定拠出年金)と併用が可能です。

iDeCoは国民年金に上乗せするお得な年金制度です。

ただ、個人事業主のiDeCoの掛け金の上限は通常月額68,000円なのですが、付加年金と併用した場合は、上限が月額67,000円と1,000円減ってしまいます。付加年金を400円かけることで、iDeCoの枠が1,000円減ってしまうのです。(iDeCoと付加年金の投資枠が同じで、iDeCoの掛け金が1,000円単位のため)

iDeCoの投資枠を上限まで使いたい人にとっては、iDeCoと付加年金とを併用するかどうは悩ましいですが、付加年金は終身で利回りは高いので、併用する方がおすすめです。

国民年金基金との併用はできない

付加年金は、国民年金基金と併用はできません。

国民年金基金も、国民年金に上乗せする年金制度です。付加年金を利用した場合、国民年金基金は利用できなくなります。

ただ、国民年金基金は、そもそもおすすめできないので、併用できなくても問題にはならないと考えます。

 

まとめ

付加年金について、ご紹介しました。

月額400円と大きな負担にならないので、国民年金しかない、個人事業主・フリーランスの方は、まず検討すべき年金制度です。

 

【今日の1曲】

If Only She Knew / Michelle Branch

じめじめとした日が続くようになってきましたが、女性ボーカルを聴くと元気になります。